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 4.犬の食事療法

健康を維持するためには、バランスの良い食事が不可欠です。
とはいえ、どのような食事が理想であるかは、
愛犬の年齢、体重、活動量、健康状態、生活環境、そして好みなどによって違ってきます。
最近ではさまざまなニーズに合わせたドッグフードが市販されていますが、
市販のフードがすべての犬に合うとは限りません。

もともと体の弱い犬病気の後やケガで体力が低下している犬にとっては、
わずかな化学物質が負担になることもあります。

選択肢のひとつとして飼い主さんが手作りで食事を作るのも良いでしょう。

それでは、犬の食事に関する基礎知識を紹介しましょう。

犬に食べさせると良い食材

犬に食べさせると危険な食材

 

食事の回数と量

食べる回数や量は、成長するにつれて変化します。
また、犬種、体重によっても食べる量が異なります。

1日に食事を与える回数

小型犬の場合

成長時期 食事の回数/1日
離乳期(6~8週) 4回
成長期前半(2~3ヶ月) 4回
成長期(小型犬3~6ヶ月) 3回
成長期後半(小型犬6~12ヶ月) 2回
成年期(小型犬1~3年 ) 1~2回
高齢期(小型犬7年以降) 1~2回

 

中・大型犬の場合

成長時期 食事の回数/1日
離乳期(6~8週) 4回
成長期前半(2~3ヶ月) 4回
成長期(3~9ヶ月) 3回
成長期後半(9~24ヶ月) 2回
成年期(2~5年 ) 1~2回
高齢期(5年以降) 1~2回

 

年齢ごとの食事の量

 

成年期の食事の量を1とすると

離乳期~成長期前半に必要な量・・2
成長期に必要な量・・・・・・・・・・・・・1.5
成長期後半に必要な量・・・・・・・・・1.2
高齢期に必要な量・・・・・・・・・・・・・0.8

と換算します。

 

犬に食べさせると良い食材

手作りの食事に取り入れたい栄養豊富な食材です。

食材 主な栄養素 解説
くず粉 でんぷん 高カロリーで消化が良い。
胃が荒れている時、体力が落ちている時などのエネルギー補給に効果的。
ビタミン 低脂肪の良質なエネルギー源。白米はとても吸収率が良い。
玄米は、白米の4倍ビタミンが含まれているが消化しにくい。
愛犬のコンディションに合わせて使い分けましょう。
はと麦 コイクセラノイド 新陳代謝を活発にする成分を含んでおり、利尿効果や美肌効果がある。コイクセラノイドは抗がん作用があるといわれている
大豆 アミノ酸
タンパク質
イソフラボン
炭水化物と一緒に与えると動物性タンパク質にひけを取らないほどの栄養価になる。イソフラボンの摂取は、乳がんや前立腺がんのリスク低下、血中脂質の低下、腔酸化作用、抗血栓作用、肥満改善などの効果があるといわれています。
納豆 酵素
プロテアーゼ
アミラーゼ
セルラーゼ
大豆のタンパク質を効率よく摂取できる食材です。
また納豆に入っている酵素は一緒に食べたものの消化を助けます。
腸内環境を整えるビフィズス菌も含まれています。
小豆 サポニン 水分代謝を高める作用や血液の状態を良くする作用、脂質の吸収を抑える作用がある。
腎臓や心臓にトラブルを抱えた犬肥満の犬におすすめの食材。缶のゆで小豆を使用する時は砂糖不使用のものを選びましょう。
ジャガイモ ビタミンC
カリウム
トリプトファン
ビタミンCは、でんぷん質に含まれているため、加熱しても破壊されにくいのが特徴です。
その他、余分な塩分の排出を促すカリウムや造血作用のあるトリプトファンも豊富です。
さつまいも ビタミンC
食物繊維
カリウム
マグネシウム
リン

亜鉛
ジャガイモと同じく、加熱しても壊れにくいビタミンCを多く含みます。
また、食物繊維が豊富で、便秘、動脈硬化、高血圧の予防にも役立ちます。
甘みのあるさつまいもは、たいていの犬が好む食材です。
減量させたい時は、ご飯の代わりに食べさせると効率よくカロリーコントロールができます。皮がついたままで食べさせましょう。
大根 ジアスターゼ
プロテアーゼ
リグニン
食物繊維
ビタミン(葉)
ミネラル(葉)
カルシウム(葉)
炭水化物を分解するジアスターゼや過剰なタンパク質を分解して腎臓のトラブルを防ぐプロアテーゼといった酵素を多く含みます。
食物繊維も豊富で、中でもリグニンという水溶性の食物繊維には、抗がん作用があります。
酵素は熱に弱いので、すりおろすなどして与えましょう。
かぼちゃ βカロテン
ビタミンC
ミネラル
クルルビタシン
セレン
βカロテンとビタミンCに富み、血行促進、皮膚や粘膜の健康維持、免疫力強化などに役立ちます。
クルルビタシンは抗がん作用もあります。
調理する時は、ワタも使いましょう。
にんじん βカロテン
食物繊維
ミネラル
にんじんに多く含まれるβカロテンは、小腸でビタミンAに変化し、目の健康に役立ちます
βカロテンは加熱したほうが体内での吸収率が上がるので、炒めたり、ゆでたりして使いましょう。
キャベツ ビタミンU
(キャベジン)
食物繊維
食物繊維、酵素が豊富なだけでなく、胃潰瘍を予防して消化不良を防ぐビタミンUを含んでおり、胃腸を強力にサポートしてくれる食材です。
他にも、アブラナ科の植物の特徴として、抗がん作用のある物質を多く含んでいます。
これらのビタミンや酵素を効率良く摂取させるためには、生で与えるのがベストです。
ブロッコリー ビタミンC キャベツと同様にアブラナ科の植物で、抗がん作用のある物質を多く含んでいます。
白菜 食物繊維 食物繊維が豊富ですが、繊維がやわらかいため消化しやすく、またアクも少ないので、胃腸が弱っている犬アレルギーを持つ犬におすすめの食材です。
また、他のアブラナ科の植物同様、抗がん物質を含んでいます。
トマト リコピン
ビタミンC
トマトに含まれる抗酸化物質のリコピンは、解毒、血液浄化、脂肪消化の促進などの作用があると言われており、老化の防止やがんの予防に効果的です。
また、熱で破壊されにくいビタミンCも豊富です。
ごぼう イヌリン
(食物繊維)
亜鉛

セレン
食物繊維に富むごぼうは、便秘や肥満の解消に効果的な食材です。中でもイヌリンという食物繊維は、利尿効果に優れ、腎臓の正常化に有効です。
造血作用のある鉄分は貧血予防に役立ちます。
ピーマン ビタミンC
ビタミンP
βカロテン
テルペン
脂肪代謝を促すビタミンC、毛細血管の健康を維持するビタミンPなどが豊富です。
その他βカロテンやテルペンなどの抗がん物質も含まれています。
しょうが フェノール
テルペン
しょうがには、解熱作用、鎮痛作用、鎮咳作用、抗炎症作用、抗酸化作用をはじめとする各種の効能があります。
また、少量取り入れるだけで食欲を促すので、体力が落ちている時に有益な食材です。
フェノールやテルペンなどの抗がん物質も含まれています。
こんにゃく グルコマンナン こんにゃくの主成分であるグルコマンナンという食物繊維が、血中コレステロールを下げる働きをします。
利尿作用に優れたこんにゃくは、体内に溜まった毒素や老廃物を取り除くために定期的に取り入れたい食材です。
きのこ類 食物繊維
βグルカン
レンチナン
(しいたけ)
ビタミンD
(乾燥しいたけ)
ビタミンB12
(乾燥しいたけ)
鉄分(えのき)
ビタミンB1
(えのき)
ビタミンB2
(しめじ)
食物繊維が豊富なきのこ類は、体内の毒素を排出し、血中コレステロール値や血糖値を下げる効果があります。
また、がんを抑制するβグルカンという物質を含んでおり、がんと診断された犬の食事にぜひ取り入れたい食材です。
なかでもまいたけに含まれるβグルカンは抗がん作用が高く、糖尿病、高血圧の改善にも効果的です。
しいたけに含まれるレンチナンも抗がん物質のひとつです。
しいたけを使う場合は、生しいたけよりも栄養価の高い乾燥しいたけを使いましょう。
乾燥しいたけには健康な骨を作るビタミンDや貧血を防ぐビタミンB12も多く含まれています。
その他、えのきには鉄分やビタミンB1、しめじにはビタミンB2が豊富です。
海藻類 食物繊維
ミネラル
アルギン酸(昆布)
ヨウ素(わかめ)
多糖類(わかめ)
鉄分(ひじき)
カルシウム
(ひじき)
食物繊維とミネラルが豊富な海藻類は、毎日取り入れたい食材です。
昆布
に含まれるアルギン酸は、ナトリウムやコレステロールを大概に排出する働きを持っています。
わかめに多く含まれるヨウ素は、甲状腺ホルモンの合成に必要な元素で、組織レベルでの代謝を促します。また、わかめにはがんを抑制する多糖類も含まれています。
鉄分とカルシウムが豊富なひじきは、特に貧血の犬におすすめです。
海藻類を与える時は、消化しやすい形状にすることが大切です。
昆布はミキサーなどで粉末にし、わかめやひじきは細かく刻んだものを加熱すると良いでしょう。
りんご ペクチン りんごに含まれるペクチンという食物繊維は、腸内で善玉菌を増やす作用があります。便秘や下痢の時に与えたい食材です。
皮ごと与えるのがベストですが、胃腸が弱っている時は、すりおろすと良いでしょう。
オリーブ油 ビタミンE
オレイン酸
悪玉コレステロールを下げるビタミンEやオレイン酸を多く含み、心臓や血液のトラブル防止に効果があるといわれています。
ごま ゴマリグナン
セサミン
ごまに含まれるゴマリグナンという抗酸化物質が、体内の活性酸素退治します
数種あるゴマリグナンのうち、セサミンは抗がん作用があるといわれています。
料理に取り入れる時は、ごま油を使うか、すりゴマとして与えましょう。
魚・肉 オメガ3脂肪酸
(いわしなど)
ヒスチジン
(赤身魚)
人間が食べる魚のほとんどは犬にも安全です。
中でも、いわし、サケ、ニシンなど北方の魚は、炎症を抑えたり、血行を促したり、血中中性脂肪を減らしたりする作用を持つ、オメガ3脂肪酸が含まれているので積極的に与えましょう。
赤身魚に含まれるヒスチジンは、きちんと適温で保存されていれば問題はありませんが、保存状態が悪いとアレルギー性中毒を起こすヒスタミンという物質に分解されるので気をつけてください。
肉に関しても衛生面に注意することが必要です。

犬に食べさせると危険な食材

雑食動物である犬は、ほとんどのものが食べられますが、
人間の食べ物の中には、犬の健康を害するものがあります。

食材 危険な物質 解説
ネギ類 アリルプロピルジスルフィド

タマネギ、長ネギ、にら、ワケギ、アサツキ、らっきょうなどのネギ類に含まれるアリルプロピルジスルフィドが赤血球を破壊し、貧血、血尿などのネギ中毒を引き起こします。

加熱しても毒性は失われないため、煮汁なども危険です。
食べるのをやめれば回復しますが常食している場合はやめましょう。

チョコレート テオブロミン カカオ豆に含まれるテオブロミンが心臓や中枢神経を刺激し、下痢嘔吐、急性心不全などを起こします。死に至るケースもあり、大変危険です。
ココアも同じく有害です。
コーヒー
紅茶
カフェイン 犬は、カフェインを分解できないため、不整脈を起こすことがあります。コーヒーや紅茶を飲ませるのはやめましょう。
生卵(卵白) アビジン 生の卵白の中のアビジンというタンパク質が、ビタミンの一種であるビオチンの吸収を妨げます。
ビオチン欠乏症は、疲労、皮膚炎、結膜炎などを引き起こします。
ジャガイモの芽
ナスやトマトのヘタ
ソラニン ソラニンという有毒物質が含まれています。
塩分の多い加工品 ナトリウム

犬は、足の裏にしか汗をかかないので、人間のように塩分を補給する必要はありません。
人間用に味付けされた加工食品を食べると、ナトリウムを摂り過ぎることになり、心臓に負担がかかります。
ラーメン、カレー、味噌汁、ハム、ベーコン、スナック菓子、塩、しょうゆなどを与えないようにしましょう。
ただし、少量のナトリウムは十分な水分を取っていれば、尿と一緒に排泄されますので、それほど神経質にならなくても大丈夫です。

香辛料   唐辛子、マスタード、こしょうといった刺激の強い香辛料は、胃を刺激して下痢などを起こすほか、肝臓や腎臓に悪影響を与えることがあります。
嗅覚の鋭い犬は香辛料を好みませんが、食べるようならやめさせましょう。
消化の悪いもの   イカ、カニ、タコ、エビなどは消化不良や下痢の原因となります。
また、牛乳も犬にとっては消化しづらい食品です。
一度温め、その際にできた膜を取り除いて与えましょう。
お菓子 脂質
糖質
犬は、甘いものを好みますが、脂質と糖質が多いお菓子の類は肥満や糖尿病の原因になります。
また、甘いものばかり食べる癖をつけると、通常のフードを食べなくなってしまいます。頻繁に与えないようにしましょう。
肉や魚の骨   アニメや漫画などでよく犬が骨をくわえているシーンがありますが、実際に与えると危険です。
消化器官に刺さる恐れがあります。
特に硬い魚の骨や、鳥の骨は、大変危険です。
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